生後6か月以内に地元の役所に正式にコタロウを登録しなければならず、その登録料は去勢していれば40ドル、していなければ150ドルと4倍近く違う。
もともと犬を飼うのも初めてだし、オスは6か月を過ぎたあたりから反抗期に入るし、他の未去勢のオス犬と喧嘩する可能性もあるし、性格が子どものままの素直な性格になるし、早いうちに去勢すると病気を防げる等々、要するに心配症で慎重で石橋を叩いて叩いて叩き割ってしまう私の性格は素直に獣医や犬の飼い方情報を聞いただけという声もある。
獣医の話では生後5か月から6か月の頃がいいとのことだったので、またまた素直な私は生後5か月と3週間で去勢することにした。
実はコタロウの片方の睾丸が何か月待っても下に降りて来ず、結局手術は普通より大がかりになった。たぶんメスの避妊手術と値段は変わらないかも。
手術前夜、食後に飲んだアルコールのせいもあってか、無邪気なコタロウを見て少し凹む。
でも翌朝に素面に戻った飼い主は、「いや、長期的に見たら正しいねん」と開き直る。
当日朝、獣医の所まで30分弱のお散歩。受付のお姉ちゃんに引き取られ、獣医の所を後にする飼い主2人。
「コタロウ、全然僕らの事気にしてなかったね。」とエマ吉がぽつり。
帰宅して空っぽのケージを見て少し寂しい気持ちに。
午後3時半になったらどんな状態か電話するようにと言われてたので、エマ吉はきっかり午後3時半に自分から電話。午後4時以降に来ていいとのことだったので、エマ吉の自転車にクッションとブランケットを敷いた籠を付け、お迎えに。
行きつけのクリニックは獣医2人で毎日やっているところで、今週月曜日にコタロウの手術前に本当に片方のタマタマさんがお腹に入っているのか、それとも1個しかないのか確かめに行った時は、コタロウを日本の忍者の名前だと言ってエマ吉を大いに喜ばせた穏やかなトニーではなく、学生時代、ラグビーでもやってました?と思わず質問したくなるくらいガッシリしてて豪快な雰囲気の典型的なオーストラリア人っぽいリチャードだった。 私はどちらかというと穏やかなオーラを放つトニーがお気に入りだった。
迎えに行くと、他には患者さんもいなくて、そこには受付のお姉ちゃんとトニーの姿が。
「コタロウを迎えに来たんだね」
と相変わらず穏やかな口調でトニーは言い、奥からコタロウを連れてきた。
てっきりパラボラアンテナのようなエリザベスカラーをつけられて痛々しい姿で出てくるかと思いきや、素のままで足取りは麻酔から目が覚めてボーっとしているのか少しよちよち気味だったが、リードを握った穏やかなトニーと共に穏やかな(多分ホントはボーっとしてた)面持ちで飼い主と再会を果たしたのである。
トニーはどうやらコタロウをえらく気に入ったらしく(多分忍者と同じ名前だから?)、「彼は終始いい子だったよ」とこれまた穏やかな笑顔でエマ吉と歓談していた。
籠に乗せられたコタロウはボーっと風景を眺めていて、エマ吉はそんなコタロウを可愛くて可愛くて仕方ないようだった。
その夜はそんなこんなでおとなしかったが、翌日エマ吉が仕事から帰ってきた頃には、手術痕こそ痛々しいが元気いっぱいなコタロウであった。10日~14日後に抜糸予定。
やめてぇな、もう…!