Saturday 22 September 2007

去勢手術

木曜日にコタロウの去勢に行って来た。

生後6か月以内に地元の役所に正式にコタロウを登録しなければならず、その登録料は去勢していれば40ドル、していなければ150ドルと4倍近く違う。

もともと犬を飼うのも初めてだし、オスは6か月を過ぎたあたりから反抗期に入るし、他の未去勢のオス犬と喧嘩する可能性もあるし、性格が子どものままの素直な性格になるし、早いうちに去勢すると病気を防げる等々、要するに心配症で慎重で石橋を叩いて叩いて叩き割ってしまう私の性格は素直に獣医や犬の飼い方情報を聞いただけという声もある。

獣医の話では生後5か月から6か月の頃がいいとのことだったので、またまた素直な私は生後5か月と3週間で去勢することにした。

実はコタロウの片方の睾丸が何か月待っても下に降りて来ず、結局手術は普通より大がかりになった。たぶんメスの避妊手術と値段は変わらないかも。

手術前夜、食後に飲んだアルコールのせいもあってか、無邪気なコタロウを見て少し凹む。

でも翌朝に素面に戻った飼い主は、「いや、長期的に見たら正しいねん」と開き直る。

当日朝、獣医の所まで30分弱のお散歩。受付のお姉ちゃんに引き取られ、獣医の所を後にする飼い主2人。

「コタロウ、全然僕らの事気にしてなかったね。」とエマ吉がぽつり。

帰宅して空っぽのケージを見て少し寂しい気持ちに。

午後3時半になったらどんな状態か電話するようにと言われてたので、エマ吉はきっかり午後3時半に自分から電話。午後4時以降に来ていいとのことだったので、エマ吉の自転車にクッションとブランケットを敷いた籠を付け、お迎えに。

行きつけのクリニックは獣医2人で毎日やっているところで、今週月曜日にコタロウの手術前に本当に片方のタマタマさんがお腹に入っているのか、それとも1個しかないのか確かめに行った時は、コタロウを日本の忍者の名前だと言ってエマ吉を大いに喜ばせた穏やかなトニーではなく、学生時代、ラグビーでもやってました?と思わず質問したくなるくらいガッシリしてて豪快な雰囲気の典型的なオーストラリア人っぽいリチャードだった。 私はどちらかというと穏やかなオーラを放つトニーがお気に入りだった。

迎えに行くと、他には患者さんもいなくて、そこには受付のお姉ちゃんとトニーの姿が。

「コタロウを迎えに来たんだね」

と相変わらず穏やかな口調でトニーは言い、奥からコタロウを連れてきた。

てっきりパラボラアンテナのようなエリザベスカラーをつけられて痛々しい姿で出てくるかと思いきや、素のままで足取りは麻酔から目が覚めてボーっとしているのか少しよちよち気味だったが、リードを握った穏やかなトニーと共に穏やかな(多分ホントはボーっとしてた)面持ちで飼い主と再会を果たしたのである。

トニーはどうやらコタロウをえらく気に入ったらしく(多分忍者と同じ名前だから?)、「彼は終始いい子だったよ」とこれまた穏やかな笑顔でエマ吉と歓談していた。

籠に乗せられたコタロウはボーっと風景を眺めていて、エマ吉はそんなコタロウを可愛くて可愛くて仕方ないようだった。

その夜はそんなこんなでおとなしかったが、翌日エマ吉が仕事から帰ってきた頃には、手術痕こそ痛々しいが元気いっぱいなコタロウであった。10日~14日後に抜糸予定。

やめてぇな、もう…!

Friday 21 September 2007

オーストラリアにおける断尾禁止法とコーギーのボブテイル遺伝子

2003年より、オーストラリアでは断尾が法律で禁止されている。怪我による断尾は認められているが、それ以外はダメとのこと。

どうやら断尾反対派がロビー活動を行って政治家を動かしたらしいが、皆が皆この法律に満足しているわけではない。いまだにこのトピックに関しては掲示板等で大きな議論となる事が多い。

その中で先日、尻尾のついたコーギーのオーナーが獣医に犬を連れて行ったら、尻尾の骨が何らかの理由で折れていたらしく、知らない内に治っていたという。今まで彼女は断尾断固反対派だったらしいが、そのことがあって、もしかしたら尻尾がなければ、と思うようになったらしい。案の定、議論は白熱して、「そんなの尻尾を生まれてすぐに切ったからって、将来怪我をするとは限らない!」といった卵が先か鶏が先かのような方向に行ったのだが、一つ興味のあるビデオのサイトが掲載されていた。

断尾禁止法が施行されてから、私が住んでいるNSW州の犬協会のトップが断尾方法によっては全く子犬に痛みを感じさせずに尻尾を短くすることができるという事を政治家達に訴える文章を公表していたが、それに関連している。それまでは文章だけでいまいちピンと来なかったのだが、上述のビデオを観て納得がいった。

これはイギリスの団体が作成したビデオだが、ボクサー犬の生まれたばかりの子犬たちを、母犬にも子犬にもストレスを与えないで、子犬の尻尾に輪ゴムをつけて行っている。あくまでこれは獣医やトレーニングを受けた人でないとやってはいけないと断ってはいるが、見ている限り全然問題ないように思える。輪ゴムがくくりつけられた所は血流が止まるので、数日後にはポロッと落ちるという手順らしい。

そのサイトはこちら(英語)。

英語が分からない方のために下に直接ウィンドウズメディアプレイヤーが再生されるサイト(低解像度・高解像度)を貼り付けておく。
Low resolution tail docking video
Higher resolution tail docking video

また、以前色々断尾について調べたのだが、ヨーロッパではボクサー犬の尻尾を短くするために、ボブテイル遺伝子を有するコーギーを交配する試みもなされているらしい。

そう、ボブテイル遺伝子を有するコーギーは長さはまちまちらしいが短い尻尾もしくは無尾で生まれてくる。興味深いことに、この遺伝子は優勢遺伝なのだが、以下のルールがあるらしい。

Tをボブテイル遺伝子とする(学生の頃生物の時間で習ったメンデルの法則を思い出して欲しい)。性別による影響はないものとする。

パターン1
Tt と tt を掛け合わせると組み合わせは Tt と tt。

パターン2
Tt と Tt を掛け合わせると組み合わせは TT, Tt, tt。

結果
ttはボブテイル遺伝子がないので尻尾コーギーが生まれる。
Ttはボブテイル遺伝子があるので無尾もしくは短尾コーギーが生まれる。
それではTTだと…?

ボブテイル遺伝子を両方有すると致死性の作用が起き、受精時にその受精卵は死んでしまうか死産となるらしい。つまりTTを有するコーギーはこの世に生を受けない事になる。

オーストラリアで断尾法が施行されてから、コーギーのブリーダーの中にはこの遺伝子に着目し、海外からボブテイル遺伝子を有するコーギーの精子を輸入したりしてボブテイルコーギーを繁殖しようとする者もいれば、キツネみたいなふさふさが可愛い、と言って尻尾コーギーだけを繁殖し、ボブテイルが欲しいと何も知らずに問い合わせてくる人に対しガウガウ噛み付いてくるブリーダーもいる。

尻尾コーギーと無尾・短尾コーギー、好みは人それぞれだろう。でもこうやって選択肢があるのなら、犬に負担をかけずに行う方法があるのなら、それもありでいいじゃない?って思う。

Sunday 16 September 2007

日曜の昼下がり

相変わらず人が好きなコタロウ。愛想を振りまき…。

新たに出会ったマルチーズさんと少したわむれ…


短足なりに精いっぱい追いかけるも飼い主さんがランニングの途中だったためあっけなく振られてしまい…

やっと遊び相手を見つけたのがコタロウより1か月年下の足長ワイヤーフォックステリアのノーマン君。見よ、この短足ダンスを。ノーマン君の足の長さは歴然。

先輩風を吹かしてか、ものすごい形相で「おいおいおい、ちょっと足が長いからってすかしてんじゃねーよ!」とヤキを入れ…

一応飼い主一同には笑顔で挨拶。


かと思いきや脇腹にフックを入れるこの腹黒さ!(注:実際にはお腹は白いです)

子分が出来たためかご満悦のコタさん

キャハハ、待ってよ、待ってよ~♪とやっぱり足の長さで差をつけられているコタさん

おっとぉ、えらくでかい犬2匹参上。片目が水色で結構いかついのだが、早速挨拶に行くコタロウ。さすが根回しは怠らない。後方に見えるはその飼い主。

これ、僕の子分でノーマン言いますぅ~。


今後お見知りおきを~。

オッス、姐さんですか?オイラ、足は短いっすが素早いのが取り柄っす。なんせ牛を追いますから。

とまぁ、相変わらず八方美人で忙しいコタロウでした。

Wednesday 12 September 2007

妹達の活躍~そして兄は~

どうやらコタロウの妹達のリングデビューが近いらしい。写真をここに載せると肖像権に引っかかるかもしれないので、下のリンクをクリックしていただきたい。

Constance
Stella

Constanceは尻尾コーギーのようだが、コタロウの毛色にそっくり。しかし顔を見て欲しい。つり上げ気味の麻呂眉のせいもあるが、その流し目と口元はいかにも「モデル顔」(?)だ。「ふふっ、次のコーギー パピーの部は私のものよ!」と余裕なのか勝気なのか、その風格は既に女優かパリコレモデルだ。

一方のStellaはボブテイルコーギーのようで、父譲りの毛色だ。性格はおっとりさんに見える。今日のおやつはレバー味かしら、それともお魚味?と夢見る夢子ちゃんを彷彿させるが、おそらくリングに上がるとオーラ(?)を発揮するのだろう。

デルモ(古っ)三姉妹のはずなので、もう一匹いるのだろうが(正確には四匹メスがいたはずだが、一匹は売りに出されたはず)、まだ上のサイトにはお目見えしていない。最終兵器なのか、はたまた調整中か。

そして兄は今…

ふぉぁぁーあ、やっと春が来たなぁー

背中かぃーの

き、君っ、びっくりするじゃないか。なんだって?リングデビュー間近の妹達に一言だって?

そうだなぁ~、耳隠し!

こ、こほん。まぁ、とにかく頑張ってね。こっちはユルユルの生活送ってるんで♪

Constanceの呆れたつぶやきが聞こえてきそうだ。「くすっ、兄さんったら。そんな小さいところでまとまるので満足するなんて。あたしはトップモデルになるんですから!世界を股にかけるコーギーにね。私たちのおじい様のように豪米加のチャンピオンになるのよ!」

コタロウを先日ドッグランに初めて連れて行ったのだが、犬にも飼い主にも愛想を振りまき、散歩時にもよく声をかけられる。なので、コタロウはお茶の間のアイドルとして活躍していくことだろう。